NASA-CRM非定常圧力特性取得試験(課題3に対応)


※このページに記載する長さスケールは、特に断りのない限り、全てJAXA風洞試験の模型スケールです。

基準面積 Sref = 0.179014 m2

基準縦長さ Cref = 0.15131 m( = 平均空力翼弦長)

基準横長さ bref = 1.26927 m( = スパン)

モーメント中心：(X,Y,Z) = (0.72741m, 0.0m, 0.097627m)


※データの詳細は以下の文献を参照

小池俊輔, 上野真, 中北和之, 橋本敦, 「JAXA2mx2m遷音速風洞におけるNASA-CRM非定常圧力特性取得試験」,
第53回飛行機シンポジウム, 講演集, 3B04, JSASS-2015-5173, 2015


APC-IIから以下のように壁干渉補正値が修正されました。

①水平尾翼への後流の影響を考慮した動圧比の修正

　　-> Cmの値がグラフ上でも確認できる程度の影響

②模型断面積の修正

　　-> 変形以外のほぼ全ての値がグラフ上では違いがわからない程度の影響

　　-> 比較する迎角をα=5.90deg -> α=5.89degと表記を変更


CFDは以下の実験結果と比較します。

α = 4.87deg(CFD) -> α = 4.84deg(EXP)

α = 5.92deg(CFD) -> α = 5.89deg(EXP)


・空力係数

比較はJAXA風洞試験データに対して補正された値を使用

※APC-IIから少しだけ値が修正されています。



RUN番号 計測番号 Re P0 T0 M α CD CL CmS 空力係数(CSV形式)
4912 31 1.52 80.0 323 0.849 4.84 0.0588 0.6872 -1.93e-3 buffet_cdclcm_rev1.csv

(計測番号16～45
のデータです。)
4912 41 1.52 80.0 323 0.848 5.89 0.0780 0.7598 9.84e-3
Re ：レイノルズ数[×106] MAC基準
P0 ：総圧[kPa]
T0 ：総温[K]
M ：修正マッハ数
α ：修正迎角[deg]
CD ：修正抵抗係数
CL ：修正揚力係数
CmS ：修正ピッチングモーメント係数


・表面Cp分布(平均値,RMS値)

表面Cpデータは、以下の2つのセンサで取得したCpと比較します。

・定常圧力センサ(ESP)で取得したCp値

・非定常圧力センサ(Kulite)で取得したCpの平均値とRMS値

※APC-IIから少しだけ値が修正されています。


スパン方向断面位置 y[mm] η Cp分布(CSV形式)
Section E 317.318 0.500 buffet_wingcp_rev1.csv
Section F 380.781 0.600
η ：無次元スパン方向長さ( = |y|÷(スパン÷2))


・非定常Cpデータ(時間領域,周波数領域)

非定常圧力センサ(Kulite)で取得したCpの時間履歴のデータと比較


ポート番号 x/c(上面) スパン方向断面位置 Cpデータ(CSV形式)
CH1 0.2819 Section E
η = 0.500

時間履歴(α=4.84deg):
buffet_cp_time_aoa484.csv

時間履歴(α=5.89deg):
buffet_cp_time_aoa589.csv


PSD [1/Hz](α=4.84deg):
buffet_cp_psd_aoa484.csv

PSD [1/Hz](α=5.89deg):
buffet_cp_psd_aoa589.csv
CH2 0.3040
CH3 0.3260
CH4 0.3480
CH5 0.3700
CH6 0.3920
CH7 0.4140
CH8 0.4360
CH9 0.4581
CH10 0.5700
CH11 0.6800
CH12 0.7903
CH13 0.1605 Section F
η = 0.600
CH14 0.1854
CH15 0.2102
CH16 0.2351
CH17 0.2600
CH18 0.2848
CH19 0.3097
CH20 0.3346
CH21 0.3595
CH22 0.4950
CH23 0.6310
CH24 0.7677

※PSDの算出について

CpのPSDは時間履歴のデータから以下の条件で算出しています。

時間刻み[s] ：0.00002
サンプリング数 ：499,712
FFTの1ブロック ：8,192
平均化個数 ：121
オーバーラップ ：0.5 (50%)
窓関数 ：不使用
出力 ：One-sided power spectral density
単位 ：1/Hz
正規化 ：PSDの積分値が時間領域のRMSと一致するように正規化


・変形量

変形はZ方向(機体垂直方向)のみ考慮

変形量は画像10枚の平均値を採用

迎角4.84degと5.89degの変形量の差が小さいので、計算は両迎角とも4.84degの結果を採用



変形前の計測座標位置 α = 4.84deg α = 5.89deg
マーカID x[mm] y[mm] z[mm] Δz[mm] Δα[deg] Δz[mm] Δα[deg]
201 558.610 105.191 -15.721 0.295 0.287
202 651.608 105.191 -22.207 0.382 -0.021 0.393 -0.028
203 744.183 105.191 -35.747 0.360 0.374
204 632.574 215.746 -16.204 0.447 0.450
205 699.777 215.746 -16.136 0.600 -0.127 0.600 -0.132
206 766.844 215.746 -23.570 0.746 0.759
207 729.204 350.702 -9.925 1.373 1.414
208 780.545 350.702 -7.286 1.718 -0.418 1.779 -0.423
209 832.002 350.702 -11.605 2.122 2.173
210 836.606 498.954 5.173 4.345 4.438
211 873.418 498.954 7.676 4.819 -0.722 4.913 -0.721
212 910.394 498.954 5.397 5.273 5.365
213 880.023 558.864 13.814 5.977 6.094
214 910.963 558.864 16.284 6.364 -0.773 6.456 -0.784
215 942.081 558.864 14.538 6.812 6.940
216 923.446 618.774 23.298 7.689 7.799
217 948.521 618.774 25.615 7.984 -0.774 8.111 -0.769
218 973.781 618.774 24.835 8.364 8.470
Δz ：たわみ量
Δα ：ねじり量


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